2009.03.16 Mon
「銭ゲバ」第9話(最終話)
答えなんて見つからない
「終」の文字が出てきてエンディングが終わってもなんだか虚無感が残ってて、ぐるんぐるん主題歌が回っててしばらくぼーっとしてました。夫は出張で家で一人で観てたから余計に;
やっと抜けたって感じですε=( ̄。 ̄;)
死を決意した風太郎の手に入れたかった『幸せ』。
風太郎の家も中流家庭だし三國家もそんなにお金持ちじゃなさそうで、格差社会は感じられない。
そしてあの傷も無く健蔵もちゃんと働いていて優しいパパ…桃子は現実と同じく病気持ちだったけど手術をして難なく完治。
風太郎の想像の世界は全く新しく作られたものではなく、現実世界と所々リンクしていた。
・ディズニーランドに友達から誘われてた事(現実では貧しい風太郎を馬鹿にする口実にされていた)
・瓶のお小遣いが無駄使いしてカラッポだった(現実では桃子の為に貯めてあげていた)
・大金が入った財布を拾って警察に届ける(現実ではお兄ちゃんを殴り殺しこのお金を奪う)
・枝野が「俺たち友達だよな!」と肩を組む(現実でもそういうシーンがあったが風太郎は枝野を利用する)
・白川は時計を買ってちょっと貧乏サラリーマン風負け犬キャラなカンジで風太郎に友好的(現実ではお金持ちで500万の時計を自慢するちょっと友達になりたくないカンジの男)
・バイト先の先輩の寺田が風太郎たちに「何のために生きているのか一番大切なものは何なのか」という説教する(現実での風太郎の答えは「銭ズラ」)
・茜の耳を塞いで「好きだよ」と囁く(現実では「大嫌いだよ」)
・健蔵と酒を酌み交わし「大事なのは心だ 世の中には金で買えないことが沢山あるんだ愛とか友情とか」(現実でも健蔵が言ってましたが風太郎はその言葉に含み笑いして聞き入れず)
ニュアンスや言葉やシーンが同じなのにこれほど違うとは。
こういった現実との対比が、今の風太郎の於かれた状況が如何に悲惨なものかを感じられた。
一歩違えば、真っ当な人生も用意されていたんだよって突きつけられた感じ。
風太郎の『銭ゲバ』としての人生は、お金の為に宏を殺してしまった時から始まった。
でも遡れば健蔵が自暴自棄になってしまった時から始まっていたのかも知れない。
健蔵自身も被害者なのだけど、そこから這い上がれず家族を捨ててしまった事が一番の不幸の始まりだった様な気がする。
あの想像の世界は、風太郎が「こうなって欲しかった」という願望。
あの世界の、優しくて時には叱って家族を支えてくれていた健蔵。風太郎が望んでいた父親の姿だったんでしょうね。
風太郎の想像の世界には色々とコネタが散りばめられてて面白かった。
枝野の手をバタバタしながら走り去るカンジ(風太郎に追いかけられた時と同じ走り方 笑)とか、桃子と由香の髪が巻き髪だったり(美容に割くお金の余裕あるみたい)
寺田が持ってきた劇団チラシの『出演 寺田修司 太宰治朗』とかも、松山ケンイチが最近“寺山修司”の作品を朗読したし、太宰治は彼の作品の文庫の表紙になってたしこっちからひっぱってきたネタかも知れない(笑)(ちなみに両者松ケンと同郷)
その後の「無視~!?」も現実と同じだけどこっちはコメディちっくだった。
風太郎が考えた世界だからか、何か変な違和感を感じられずにいられなかったシーンもちょいちょいありました。
桃子の飲み薬がラムネ級のデカさだったり、手術後の執刀医「あ、大丈夫ですよ」の一言だけ&内容に関して何の説明の無さ(笑)(風太郎にも説明出来ないから?)
マカロンがクッション素材とかなしで無造作に箱に入れられてたり(どんな風に包装されてるのか知らなかったのかも;)
まあまあ大きい企業っぽいのにこのご時世、給料が手渡しで封筒に現金…
(やっぱり現ナマ主義だから?それとも振込という概念が思い付かなかったのか)
恋人=ボートとか、ありきたりなシーンだったりとかさ(笑)
風太郎の頭の中って結構単純かも…;
でも、ああいう『何でもないありふれた人生』を渇望していたんだなって思った。
私達が「な~んだ普通じゃん」と思う様な生活絵図も、風太郎にとっては願えば願う程どうしても手に入らなかったもの。
“普通”がこれだけ魅力的に思えるなんて。
想像の世界では、耳を塞いでても風太郎の言葉が茜には聞こえてた。
もしかして、あの茜の最後の言葉も聞こえてたのかな…そして茜も風太郎の言葉が本当は聞こえていたのかも知れない。
もしそうだったら、茜は最初からありのままの風太郎を愛していたって事ですよね。
現実では想いが届かなかったけど、想像の中で風太郎が茜に恋をして幸せになる事を描いていたのが嬉しかったです。
緑は次期社長に?と思ったんですが、風太郎死去の訃報が掲載された新聞には「次期社長には常務取締役の井上准氏が就任」と書かれていました。
これから緑は三國家を去り、独りで生きてゆくんでしょうか?
風太郎の死を見届けた後の彼女は、もう世間知らずな“お嬢様”には見えませんでした。
「金」というものに翻弄され続けた蒲郡風太郎という人間の人生を見てきた緑は、彼から何かを感じまたは学び、今までと違う人生を歩んでいきそうな気がします。
春子がなんかヤバそうでしたね。
新しい派遣先の屋敷を前に「銭の塊ズラ」って風太郎と同じ事言ってるし(((;゚Д゚)))
彼女も何か影響されたのかな。
健蔵はこれからもああいう風に生きてゆくんでしょうね。
自分の妻や子供を救えなかった事を悔いながら。
でも白川を埋めた?とこをワンコがここ掘れワンワンしてたから捕まる可能性も?
風太郎の最後は、消えるわけないのに息や唾で消そうとして人間らしいというか必死で醜かった。
あれだけ命を奪ってきた人間が自分の死は怖い…誰でもそうかも知れないけど、風太郎もただの人間だった。
緑に助けを乞うていましたが、助けにきてはくれなかった。
家族を殺した男の死をちゃんと見届ける。それが遺された緑の責任でもある。
緑は自分の家族を奪った人間のために涙を流してくれました。
風太郎はまだ幸せだったんじゃないかな。自分の最期に泣いてくれる人がいて…
もし、同情心に負けて助けたとしたら風太郎はどうなっていたのかなって考えました。
死に際に見えたものを得て、もう金に執着するのを止める?
それとも、やっぱりいつかは同じ道を辿って…
どちらにしても、風太郎には自分を否定しなければならない事だらけで厳しい現実が待っているのかも。
どうすれば、彼は幸せになれたのかな。永遠に答えが見つからない気がする。
幸せを感じるものはひとりひとり違うし、一概にこれだって言えない。
だから「幸せはどこにあるズラ?」と聞かれても、「わからない」って答えるよ。
幸せは元からあるものじゃなく、自分で作り上げるもの。
「この世界に生きているやつはみんな銭ゲバだ」という風太郎の言葉。
金が必要なばかりに人に刃物を突きつけてしまった伊豆屋の人達。
家族の為に自分の弟を殺した犯人と金の取引きをした荻野刑事。
彼等は幸せを取り戻して生きています。
風太郎が与えた「金」の力によって…
*ドラマ「銭ゲバ」公式サイト
DVD-BOXが2009年5月22日に発売されるんですね!
なんとニコ&ロボの誕生日♪トキメクじゃないかーー!!゚+。:.゚ヾ(*′∀`*)ノ゚.:。+゚
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