2006.11.26 Sun
僕等がいた 11巻 小畑友紀

早く大人になる
早く大人になって
守られる側じゃなくて守る側になる
誰にも文句言わせない
誰にも切ない思いさせない
母親も
家族も
女も
これだけ絶対
守り抜ける人間になる
↑またpoo本家で描いてきましたv
こうなればいいなぁと思って描いた矢野と七美の誓いのキス。大きい画像はここです〜
11巻、読みました。私は本誌で追いかけている為、その時の心の衝動や感じた事の詳しくは今までのエントリーを読んで下さると嬉しいです。自分の気持ちが素直に、そのままで出ています。
まずは描き下ろしや修正などについて。
ちょこっと修正はあったものの大幅な変更点はありませんが一部追加されているコマがあります。
庸子の葬儀でのアキが外にいる矢野の元に行くコマ。
矢野が七美と電話で会話している時、七美に会いに行くシュミレーションで「矢野そのまま目を閉じてて」の後のキスするまでのコマ。
番外編としてベツコミ2006年6月号に掲載された5Pの漫画?付きです。
今回11巻を改めて読んで感じたのは、矢野という人間がいつも追い求めていた『何か』が明確になった事。
最初の頃七美が矢野の事を『いつも人が集まる』と言い表しましたよね。その通り矢野の周りはいつもにぎやか。友達も多い。明るいし、多くの人から好かれてる。
でも本当の彼の姿は違う。
彼から発せられる強気な言葉とは裏腹に、ちっぽけで誰よりも傷つきやすい。
いつも自分の上に違うカラーを塗ったくって『違う自分』を演じてたと思う。
それは時と共に積もり積もってきてついには、はけ口とか出口を失ってますます彼を苦しめる。
私は矢野にどうしても感情移入してしまうのには訳があります。
それは彼と似た様な経験をしてきたからだと思います。
彼と少し違いますが私も小学生の頃父親の浮気で両親が離婚し、長い間母親に育てられてきました。
普通はお父さんとお母さんから貰う愛情を私は片方からしか、貰えなかった。
自分では父親が居ないとかそんな事気にしないと思っていたけど周りからは哀れみの目で見られてて、「可哀相だね」とか「聞いてごめん」とかよく言われました。
そういうのが重なると『自分は可哀相な子なのかな?不幸なのかな?』と段々感じてしまう。
そうじゃないと思っていても一般的にはそうなんだと突きつけられるのです。
そして私も矢野の様に明るく振る舞っていました。
母親に一緒に死んでと言われ遠くに連れて行かれて出来なくて家に戻った次の日も普通に登校していました。
そんな風にしていないと自分が壊れそうだった。
だから人一倍彼の気持ちはわかる。
そんな彼を自分の過去と重ねて見ているんですね、私。
だから応援したい。私も恋をし結婚もしたし幸せを掴んだ。
どん底ばかりじゃない。いつか必ず幸せは訪れる。生きていれば。
だからどんな事があっても頑張って!と思うんです。
かなり脱線してしまいましたが(いつもの事;)「過去を捨てる」と言った矢野の気持ち、痛いほどわかるんです。
今までは「過去は変えられない」と割り切って生きていこうとしていた彼ですが奈々、そして新たに庸子をも失ってしまったどうしようもない過去を背負って生きていくにはそうするしか無かったんだと思います。
それが矢野の『自己防衛』だったのでは。
結果的に七美の事も『過去』に入ってしまったわけですが、それだけは自分の為ではなく七美の為を思ってだった。
過去から付きまとう自分の大事な人を失うというトラウマから逃げれない矢野。そんな自分から無理矢理七美を切り離す事で解放した。
逃げたんじゃなくて七美には幸せになって欲しいという強い気持ちから下した決断だったんでしょう。
そんなとこまで矢野を追いつめてしまった庸子が自分から命を絶った事は本当に許せない。
私の友達に彼氏をがんで失った子がいます。
私も勿論その彼氏をよく知っていてお見舞いにも行きました。
まだ20歳で、私より年下だった彼は余りにも短い命を全うしました。
その頃からです。死ぬって何だろうって思う様になったのは。
ケースバイケースですが、死ぬ事は本人にとって楽なんです。
がんの彼もそうでしたが抗がん剤の副作用はとてもきつく、寝られない程耐えられない時もあると聞きました。
友達はそんな姿を見るのが辛くて薬を止めて欲しいと思ってたと言っていました。
もう末期になると手の付け様がなく、残るのは苦しさ。
その苦しさからは死ぬ事でやっと解放される。
でもそれがずっと続くのは逆に生きてる者です。
大事な人を失った事実は、残された者にだけ悲しみがずっと続く。
だから自殺する事は『逃げ』だと思う。庸子もそうやって逃げた。
でも矢野は残された者で、生きている限りずっとその悲しみを背負っていかなければならない。
だから限りある命とわかっていても自分と闘わず自分だけ楽になる事を選び、残された者の事を考えない庸子を本当に本当に許せないんです。
8巻の最後、矢野のモノローグで
『彼はその時 まだ たったの15歳で
彼はずっと ひとつの夢を追っていたのかもしれない
15歳のあの日から 還らないあの日から
追いかける 拒絶される また立ち上がる
17歳の彼は まだ信じています
けれども 18歳で ひとりぽっちになる
いつも人生は 彼の欲しいものだけを 与えなかった
彼がたったひとつ欲しかったもの』
とありますが『彼の欲しかったもの』、矢野と似てる私ならわかる気がします。
彼の人生にいつも与えなかったもの、彼のずっと欲しかったもの…
それは『愛』だと思います。
冒頭に私の想いはそれぞれのエントリーを読んで下さいと言いましたがコメントで寄せられた黒糖さん、蜜柑さん、うにさん、空さん、めぇさん、小糖糖さん、モコさん、sorayaさん、他の方のとても想いのこもった書込みもどうぞご覧になってください。
そしてそれぞれのエントリーにコメント下さったみなさん、本当にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
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