この映画に"HERO"は存在しない物語は…
米国と中国によって核戦争が起こり、北半球は放射能で汚染されて連絡も途絶え、壊滅状態に。
唯一生き延びた米原潜の一行はまだ汚染されていないオーストラリアのメルボルンに上陸します。
するともう誰も生きていない筈の北半球の何者からかメールが送られてきている事がわかった。
人々に希望の光が見え始めます。
そして北に向かうのですがそこに待ち受けていたのは……
1959年作のSFドラマ「渚にて」のリメイク版でTVムービーです。原題は「ON THE BEACH」。
原作はネビル・シュート作のSF小説「渚にて」です。小説も買いましたがまだ読んでる途中です。
これはずうっと前に私が観たいと思っていた作品です。
その頃、「デイ・アフター・トゥモロー」という映画が公開されていて観に行きました。
それは地球の温暖化によって氷が解け、津波が都市に押し寄せるSFパニックムービーでした。
最後は主人公含め、多数の人が助かるのですが私はこういう決まりきった終わり方にいつも憤りを感じていました。
それは『必ず主人公は助かり、地球も無事』という映画らしいラスト。
そもそも、地球の温暖化は人類のしてきた事が引き金になっておきているもの。そして、ギリギリになって自分たちの愚かな行為に気がつくのですがここで助かってしまってはもとの木阿弥。振り出しに戻ってしまうだけなのです。
そしてまた、人々は同じ行為に走り、同じ結果を生み出すのでしょう。
一時期の『よかった!』で済んでしまっては地球が人類に罰を与えているというメッセージがかすれて、映画ならではのただ感動を生む為のものにすり替わってしまっています。
何が言いたいかというと、
ネタバレになってしまいますが、この映画は主人公たちもみんな死んでしまうのです。
勇敢に立ち向かって超人の如くピンチを乗切る人も、居ません。
一時は生きる希望が湧いた人々ですがもうどうにもならないと知ったとき、自分の運命を受け入れてゆきます。
時には暴動を起こす人、まだ希望を捨てきれない人、自分から命を絶つ人、状況に身を委ねる人、何もわからず無邪気に笑う赤ん坊。
絶望を知った時、あなたならどうするでしょう。
まだ希望を捨てれず、もがく人が多数でしょうか。
金にモノをいわせてどうにか逃げ延びようとする人もいるでしょう。
でも、”本当の終わり”が来た時、この作品の登場人物のように静かにその時を待つ気がします。
この作品は3時間と長いです。序盤はどうって事ない日常が描かれていました。
でも、それが残された時間だったと思えばすごく意味のある日常になるでしょう。
希望を捨てきれないある女性は家のリフォームに勤しみます。自分の趣味に没頭する事でその事実から必死に目を背けていました。
しかし、やはり終わりは近づいていて自分もあと僅かだと知ります。
苦しまない様にと夫が子供に毒薬を打とうとしますが女性は泣きじゃくり「まだ生きているのに」と訴えます。
それでも最後は受け入れて自分たちも毒薬を飲みます。選択肢がそれしかないのです。
すごく悲しくて辛くて悔しい選択です。
この作品のキャッチフレーズは『地球最後の日』です。
見終わった後、ホッとする作品では決してありません。
映画はハッピーエンドじゃないとヒットしないとか言われていますがもしこれが映画だったらきっとヒットしなかった事でしょう。
ヒトの自己中心的な考えで引き起こった悲劇、それに巻き込まれた人々、誰も幸せだといえない結末。
でも、そういう作品も今は必要ではないでしょうか。
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