2009.07.02 Thu
「3月のライオン」羽海野チカ
| 3月のライオン 1巻 羽海野チカ ![]() | 3月のライオン 2巻 羽海野チカ ![]() | 戦う理由が無い と言いながら 本当は 身の内に獣が棲むのを知っている 戦いが始まればどうしても 生きる道へと手がのびてしまう 誰を不幸にしても どんな世界が待っていても |
「3月のライオン」の存在は、以前より薄々と知っていました。
アニメから映画化にまでなりハチクロブームを引き起した、羽海野チカさんの新作だということも。
“将棋”をテーマにした話ってのは知っていましたが、私自身将棋にあまり関わりがなくルールも知らないし、将棋といえば積み木崩しやはさみ将棋など本来の楽しみ方と掛け離れていたものでした。
なので、どうしても敷居が高いような気がして今まで手を出せずにいて。
ハチミツとクローバーは漫喫とかで読んではいましたが、その時既にアニメが始まってて大分話も進んでいて『リアルに追いかけて行けてない感』があり、そこまでハマれなかったのです。(これは私の問題でハチクロ自体はとても面白かった)
キャラが魅力的だった「東のエデン」が終わって、なんだか寂しい気持ちを紛らわすじゃないですが(いや、そうだったかも)
「そういえば、羽海野さんの「3月のライオン」ってどうなんだろ…」
と気になり始め、そして…とりあえず買って読みました。
先入観を持って避けてしまうのは、ダメだってことに気付きました。
すごく…面白かったんです……ちっとも将棋知らないのに(笑)!
将棋のルールを知らない私がすんなり読めたのは、“将棋を指す人達”にスポットが当たっているからなんですね。
そういえば昔「情熱大陸」で羽生善治さんと渡辺明さんの竜王戦の対局を観た時、2人の気迫というか執念というかこの時の為に懸けたものすごいものが画面から伝わってきたのを覚えています。
私はそれまで、将棋は静かでどことなく地味な競技だと捉えていました。
年配の方やおじいちゃんがするゆったりとしたゲームだと。
でも、この2人の対戦を観た時は「なんて緊張感のある白熱した競技なんだ」って思いました。
表面上はただただ、盤面を見つめ冷静沈着にこなしているかのよう。
でも双方の心の中は、相手の先の先のもっと先を読み翻弄させたり誘い込んだり。
勝利をもぎ取る為の心理戦が繰り広げられていて…それも長引くと何時間も続くらしい。
将棋ってこんなに精神が試され体力をも消耗する熱い競技だったんだ、と。
主人公の桐山零は15歳でプロになり、その華やかな世界とは裏腹に苦悩しているんですよね。
家族を亡くし親戚にも見放され葬儀に現れた父親の友人に引き取られてゆくんですが、そこにも自分の居場所が無くて。
愛されるために、認められるために、生きるために、自立するために将棋を極めてゆくんです。
だから零にとって将棋は“生きる術”のようなもの。
将棋が無かったら彼はどうなっていたんだろう…他の方法は果たして見つかっていただろうか?
兎に角、壮絶な過去と傷を持つ青年ですが周りの人にはホント恵まれています。
あかり、ひなた、モモの三姉妹と出会うんですが、彼女等はとっても明るくて頑張り屋さん。
でもこの人達も母親を亡くしていて(父親は蒸発?)零とは似た境遇にある。
3人がいつも頑張っている姿を目の当たりにして零はこう思うんです。
『みんなものすごいがんばっているのに
なんでオレはオレの事だけですぐ
いっぱいいっぱいになってしまうんだろう
──情けない…』
これ、私もよく感じてる事です(;´・ω・`)
零は実力はあっても自分に自信がなく、結構ネガティブ体質っぽいんです。
私とソックリ…「この人は私だ」マジでそう思いました(笑)
あと、零がまだ一人暮らしを初めて間もない頃をこう表現しています。
『どこを歩いても夢の中にいるみたいだった
音がよく聞こえないし
町が白黒にチカチカしたりした
緊張していたのだ
慣れない町に
でも知ってる人ができたとたん
橋の向こうに色がついたような気がした』
これも経験あります。
零の心の中の傷は中々深くて、いつも自問自答して葛藤しています。
家族の事もそうだし、今於かれている将棋の世界でもそれは同じ。
零は人と関わるのがあまり得意ではない。自分の世界に安易に踏み込まれるのが怖い。
学校はともかく、一緒にご飯を食べる仲のひなちゃんにまで棋士なのを内緒にしてたりする事からも想定できます。
何もされてないのに自分からバリアを張っちゃう人なんですね。
でもある日、バレちゃって…(笑)
人が興味を示してくれた事が零にとっては「お腹のあたりがフワフワする程嬉しい」
これもわかるな〜〜〜(*´艸`)
塊になっていたものを、少しずつ解かしていけてるような感じ。
でもそういう時に限って、香子が現れて零の心を掻き乱してくんですよ;
零は過去に香子に恋心があったみたいな感じでしたが、香子はどうだったんだろう。
愛憎みたいな感情?
個人的にはこの2人はくっ付いて欲しくない(;´・ω・`)
香子だと多分いつまでも頭が上がらないだろうし、彼が成長するには自分が上に立つ存在になるのが望ましいと思う。
しかし零、香子の「毒をはらんだ言葉ですら聴いていたい」と結構Mっ気があるのが…
羽海野さんは予想を裏切る事をするので心配だ…(; ̄ー ̄)<ハチクロ
好きな脇キャラは断然、二海堂!!
友人(零)思いで、とても熱くて真っ直ぐなキャラですよね。
彼が描いた『将棋はじめて絵本』は未経験の私にもすごくわかりやすかった(笑)
ねこ達も無駄にハイテンションなのがイイ…(“空腹”とかもうサイコーw)
零だけでは重くなりがちなので、この存在がホッとする。
「3月のライオン』は、1〜2話しか出て来なくてもその人の人生や人間性を垣間見れるのがいいです。
年配でもう負けたら後が無い松永さんや、負けると荒れて離婚寸前の安井さん。
この人達に勝つと、自分がそれを後押しする様なカタチになってしまう。
しかし、負ける訳には…いかない。
一砂や二海堂みたいに情熱を持てず、将棋の世界をどことなく引いたとこから見ているような零だったけど、ついに感情が爆発する。
今までホント感情を出していなかったので、この2巻ラストの彼に鳥肌が立った。
そして度々出てくる、高く積み上げられた本の山に埋もれ一心に盤面に向かう一人の少年(零)の画。
作家さんには、最初にあるイメージが浮かんでそこからストーリーが生まれるという人がいる。(宮崎駿監督なんかもそう)
羽海野さんはきっと最初からこの2つのプロットがあって、それを描きたかったんだと思う。
零は宗谷冬司を超える日が来るんだろうか。
かつて格下だった渡辺氏が、羽生氏を追い抜き逆転するような日が。
3巻は8月12日発売☆
*3月のライオン・1巻発売!(第1話試し読みあり)
*3月のライオン・2巻発売!
| ゲーム・アニメ・音楽 etc
| コメント(0) | トラックバック(0)|
| TOP↑






































⇒ エリ (07/04)
⇒ りりこ (07/03)
⇒ ちび (06/30)
⇒ 白澤。 (06/28)
⇒ ちび (06/22)